2年前の元旦の話をしたいと思います。
うちはいつも山奥の神社に行くのですが、
なんせ山奥なので冬は寒いんですよね。
でも去年は、幸いお天気もよく、寒くもなかったので
とても良いお参りになりました。
さて、この神社の初詣に、いつも露店が並びます。
たこ焼きとか、フライドポテトとかね。
その中で1軒、地元のお茶の生産者さんがお店を出されています。
数年前にこのお茶の露店の前で
「お茶飲んでってー!」
と、明るい声でオバチャンに声をかけられました。
実は三重県はお茶どころなんですよね。
でも有名なのは、大台や鈴鹿や亀山のお茶で、こちらのお茶は津のお茶。
正直あまり聞いたこともなかったので
期待をせずにいっぱい飲ませてもらったら・・・・
これが超うまい!!!!
正直我が家が買うレベルのお茶では
いまだかつてないくらい美味しいんですよ!
早速買って帰り、その年から毎年、
初詣でお茶を買うならわしになったんですよね。
その数年後、またまた初詣に行くと
あの元気なオバチャンがいないんです!
かわりに店番をしていたのは、
言っちゃわるいが、少し愛想のないオッチャン。
多分旦那さんで、この方がお茶を作ってるんでしょうね。
商売も慣れないみたいで、
あたふたしながら、そして言葉数も少なく、
接客をしてくれていました。
そんなオッチャンに嫁さんが
「ここのお茶は本当に美味しくって、お客さんが来た時に出すと
みんな「美味しい!}って言ってくれるんですよ!
ほんとここのお茶を飲むと他が飲めないんですよ」
と伝えたんですよね。
するとオッチャンは、ビックリ!した顔をして・・・・
「美味しい?うちのお茶が?」
とまさかのコメントが(笑)
まーそのあとちょっと間があって
「ありがとうございます」
と言ってくれましたが、あきらかに動揺していました。
オッチャン、ほんとにいい仕事してるのに
それがすごいことだと思ってなかったんですね。
これ、ビジネス的にはアカンのでしょうけど、
僕は職人気質でキライじゃないんですよね。
そういう職人肌の人って多いと思うんです。
コーチでもそう。
いい腕してるのに、自信が持てない。
だから発信出来なくなってしまってて、
なかなか世の中に出られない。
最近、プロコーチを目指している人と話をしてて、
このオッチャンと近い話をよく聞くんですね。
でも、自分としては売れたいし、稼ぎたい。
だから「集客を学んでいるんです」と言う。
僕はこれになんか引っかかりを覚えるんです。
そうなんです。
誰一人として、
「自分のコーチングに誇りを持ってます!」
という人がいないんです。
まだ駆け出しだから誇りを持っちゃいけないのだろうか?
まだプロとして食えてないから誇りを持っちゃいけないのだろうか?
違うと思います。
誇りを持つことが最初で売れることはその後にくるもの。
少なくとも僕はそう思うな。
(追伸)
今年の初詣にまたオッチャンに会いに行きました。
お茶が2種類あったので
「どっちがおいしいの?」と聞くと
「こっちの方。こっちは粗めにしてあるから美味しいよ」
と教えてくれました。
その後も嬉しそうにてきぱきとお茶を詰めてくれました。
オッチャン、いい仕事してましたね。(*^^*)